月蝕


 1386
 月蝕を題にて歌よみけるに
いむといひて影にあたらぬ今宵しもわれて月みる名や立ちぬらむ

2001年1月10日未明に皆既月蝕がありました。
残念ながら私は今世紀最初の皆既月蝕を見逃しました。
天候の関係で見えたのは九州の一部だけだったようです。

● 皆既月食のおこる日時
 日本時間
  2001年1月10日 3:42〜6:59(3時間17分)
  皆既 4:49〜5:51(1時間2分)
 グリニッジ標準時 (日本時間マイナス9時間)
  2001年1月 9日 18:42〜21:59
  皆既 19:49〜20:51

● 皆既月食が見えるエリア
 日本から東南アジア、インド、中東、ヨーロッパ、アフリカ、アメリカ
 北東部まで。日本では全国各地。

貞観13年(861)から貞享元年(1684)まで使用されていた「宣明暦」は
日蝕、月蝕の予報が可能だったようです。

早稲田大学図書館
あばやま研究所
massangeana
海上保安庁海洋情報部

西行さんはどの様にしてこの予報を知ったか?
「高島易断」の暦でもあったのかしらん。
と思ったら、「高島易断」は江戸時代からだそうで。
謎は深まるばかりですが、
二十四節気なども正確に知っていた様ですから、
何らかの伝達手段があったのでしょう。

高島神社神聖館
陰陽道と宿曜道

2002年08月08日追記
ありました。神宮暦です。江戸時代までは御師によって全国に配布されていたようです。明治5年以降、伊勢神宮内のみでの販売となってしまいました。内容は「高島易断」のものとはずいぶん違います。怪しげな「偽物」が普及してしまったようです。「神宮館」という命名も「消防署の方から来ました」の乗りです。「本物」は、現代の「天文年鑑」や「理科年表」に近いです。六曜(大安、赤口、先勝、友引、先負、仏滅)は入っていなくて、付録として一枚ものの表として添付しています。現代ではあまり有り難味がありませんが、陰暦の頃は節気を知る為には必要不可欠だったでしょう。
神宮暦 表紙
神宮暦 平成14年1月前半