Title  御裳濯河歌合 (中大図書館蔵本)  0001:  一番 左持             山家客人 岩戸あけし天つみことのそのかみに桜をたれかうゑはじめけむ  0002:  右                  野径亭主 神路山月さやかなるちかひありて天の下をばてらすなりけり  Description   とよあしはらの国のならひとして、難波津の歌は人の心をやるなかだちと成りにければ、これをよまざる人はなかるべし、しかはあれども、よしとはいかなるをいひ、あしとはいづれをさだむべしとは、われも人もしるところにあらざるものなり、その故は、あをによしならのみかどの御時撰びおかれたる万葉集は、世もあがり人の心もおよびがたければ、しばらくおく、それよりこのかた、紀貫之、凡河内躬恒等がえらべるところの古今集をこそは、歌のもととは仰ぐべきことなるを、同じき集のうちのうたをも、あるいは絵にかける女にたとへ、しぼめる花のにほひのこれるによそへ、或は商人のよききぬきたるといひ、田夫の花の陰にやすめるがごとしといへり、此等の心をおもふに、撰集はさまざまの歌のすがたをばわかず、そのすぢにとりてよろしきをばとりえらべるなるべし、彼時より後、四条大納言公任卿、さまざまの歌のみちをみがき、あるは十あまり五つがひの歌を合せ、あるはみそぢあまり六つがひの歌人をたたかはしめ、九しなの歌をさだめたり、此等則、多くは古今集のうちの歌を、あるをば上が上品にあげ、あるをば下が下品におけり、此等の類は疑心もむすぼほれぬべけれど、先達のことの葉およぶところにあらず、今の代の人は、歌のよしあしをいふにつけて、そのさかひにいりいらざる程をしらるるものなり、抑、歌合といふ物は上古にはありけむを、しるしつたへざりけるにや、亭子のみかどの御ときよりぞしるしおかれたれど、或時はかちまけをつけられず、あるをりは勝負をば付けながら判の詞はしるさず、村上御時天徳の歌合よりぞ判のことばはしるされて後、永承承暦等の内裏の歌合ならびに私の家にいたるまで、かちまけをしるすことに成りにたり、これによりて今の世に及ぶまで、あるは仏寺によせて結縁と称し、あるは霊社によせて神威をかりて、つがひをむすび判をうけしむるあひだ、かつはいまの愚老にいたるまで、かたのごとくふるきあとをまなびつつ、およばぬ心にまかせてかちまけをさだむる事、すでにかずなくなりにけむ、倩此事を思ふに、かつは此道の先賢のなきかげにもおもはむ事、その恥かぎりなし、何況や、住吉明神よりはじめたてまつりて、照しみそなはすらむ事、其おそれいくそばくぞや、しかあるのみにあらず、よはひかたぶき老にのぞみて後は、朝にみることは夕には忘れ、夜はのむしろにおもふ事曉の枕にはとどまる事なければ、ふるき時の証歌今の代の諸作、みること聞く亊ひとつも心にのこる事なし、よりてちかきとしよりこのかた、ながく此ことをたちをはりにたれども、今上人円位壮年のむかしより、たがひにおのれをしれるによりて、二世の契をむすび終りにき、各老にのぞみて後の離居は山河を隔つといへども、むかしの芳契は旦暮に忘るることなし、そのうへに、これは余の歌合の儀にあらざるよし、しひてしめさるるおもむきをつたへ承るによりて、例の物おぼえぬひが事どもをしるし申すべきなり、さてもかやうの事のついでには、あはれに思ひつづけられ侍ることも、とどめがたくてなむ、昔天承長承のころほひより、かたのごとくこの道にたづさひて、或ははこやの山の花の下につらなり、ある時は雲ゐの月の前に見なれしともがら、今はみなむかしの夢にのみなりぬる世に、人のかずにもあらず桑の門のすてびとと成りながら、いままで世にまがひて、かやうのすずろごとをもかきつけ侍るにつけて、竹の窓に露しげく、苔のたもとしぼりあへがたくはべるを、かかるもくづのみだれたることの葉ながら、かけまくもかしこき神風のつてに、みもすそ川のみぎは、たまぐしのはのかげにもちり侍らば、大内人の中にもおのづから露のあはれはかけられ侍らむや  Description   一番のつがひ、左の歌は、春のさくらをおもふあまり、神代の事までたどり、右歌は、天の下をてらす月を見て、神路山のちかひをしれる心、ともにふかく聞ゆ、持とすべし  0003:  二番 左持 神風に心やすくぞまかせつるさくらの宮の花のさかりを  0004:   右 さやかなるわしのたかねの雲ゐより影やはらぐる月よみの杜  Description   左の桜の宮、右の月よみの杜、勝劣なし、猶持とす  0005:  三番 左勝 おしなべて花のさかりに成りにけり山のはごとにかかるしら雲  0006:   右 秋はただ今夜ひとよの名なりけりおなじ雲井に月はすめども  Description   左の歌、うるはしくたけたかくみゆ、右歌、これも歌のすがたいとをかし、十五夜の月をめづるあまり、こよひ一夜のななりけりといへる、心ふかしといへども、猶のこりの秋をすてむ事いかがときこゆ、左、こともなくうるはし、かつとや申すべき  0007:  四番 左持 なべてならぬよもの山べの花はみなよし野よりこそ種はちりけめ  0008:   右 秋になれば雲井のかげのさかゆるは月のかつらに枝やさすらん  Description   左右ともに心ありては聞ゆ、但、左の始の句、右の中の五文字、殊に歎美のことばにあらずやあらん、持なるべし  0009:  五番 左持 思ひかへすさとりやけふはなからまし花にそめおく色なかりせば  0010:   右 身にしめてあはれしらする風よりも月にぞ秋の色はみえける  Description   左、さとりやけふはなからましといひ、右、月にぞ秋のといへる、心すがたともにをかし、又持とす  0011:  六番 左 春をへて花のさかりにあひきつつ思ひでおほき我が身なりけり  0012:   右勝 うき身こそいとひながらも哀なれ月をながめて年のへにける  Description   左右の歌、春花秋月はことなりといへども、歌の心はおなじすがたなるを、思出でおほきといへるより、月をながめて年のへにけるといひはてたるは、いますこしまさり侍らむ  0013:  七番 左持 ねがはくは花のもとにて春しなむその二月のもち月のころ  0014:   右 こむ世には心のうちにあらはさむあかでやみぬる月のひかりを  Description   左の、花の下にてといひ、右の、こむ世にはといへる、心ともに深きにとりて、右はうちまかせてよろしき歌体なり、左は、ねがはくはとおき、春しなむといへる、うるはしきすがたにはあらず、其体にとりて上下あひかなひて、いみじく聞ゆるなり、さりとて深く道にいらざらむ輩は、かくよまむとせばかなはざる事ありぬべし、これはいたれる時の事なり、姿は雖不相似、なずらへて持とす  0015:  八番 左勝 花にそむ心のいかでのこりけむすてはててきと思ふ我が身に  0016:   右 ふけにける我が世のかげを思ふまにはるかに月のかたぶきにける  Description   右歌心いとをかし、但、左歌猶こともなくよろし、勝とや申すべき  0017:  九番 左持 よしの山こぞのしをりの道かへてまだみぬかたの花をたづねん  0018:   右 月をまつたかねの雲は晴れにけり心あるべきはつしぐれかな  Description   去年のしをりといひ、たかねの雲といへる、すがたこころともにをかし、持とすべし  0019:  十番 左勝 吉野山やがて出でじと思ふ身を花ちりなばと人やまつらん  0020:   右 ふりさけし人の心ぞしられける今夜みかさの月をながめて  Description   こよひみかさのとおける、ことばは優にきこゆ、ふりさけしといへるはじめの句や如何にぞ聞ゆらん、左の歌こともなくよろし、勝とや申すべからむ  0021:  十一番 左 立ちかはる春をしれともみせがほに年をへだつる霞なりけり  0022:   右勝 岩まとぢし氷もいまはとけ初めて苔の下水道もとむなり  Description   左歌、すがた詞相叶ひてみゆ、但、みせがほにと云ふ詞は我も人も皆よむ事なり、さはありながら、猶歌合のこと葉にはひかふべきにやあらん、かつは歌のさまによるべし、右の歌、詞をかし、勝と申すべくや  0023:  十二番 左勝 色つつむ野べのかすみの下もえて心をそむるうぐひすのこゑ  0024:   右 とめこかし梅さかりなる我が宿にうときも人はをりにこそよれ  Description   左右の春の歌、ともにえむなるにとりて、右はいますこしをかしきさまにはみゆるを、左の歌、ことばはいひとめぬさまながら、心なほをかし、すこしは増れりとや申すべからむ  0025:  十三番 左 山がつのかた岡かけてしむるののさかひにたてる玉のを柳  0026:   右勝 ふりつみしたかねのみ雪とけにけり清滝河の水のしらなみ  Description   左歌、さる事ありとみる心ちしてめづらしきさまなり、すゑの句のをの字やすこし如何、さもよみて侍るかとよ、右歌、すがたいとおもしろくみゆ、勝と申すべし  0027:  十四番 左持 つくづくと物思ひをればほととぎすこころにあまる声聞ゆなり  0028:   右 うき世思ふ我かはあやな郭公あはれこもれる忍ねのこゑ  Description   両首の郭公、ともに心こもれり、よき持なり  0029:  十五番 左 うぐひすの古巣よりたつ時鳥あゐよりもこきこゑの色かな  0030:   右勝 きかずともここをせにせむ郭公山田のはらの杉のむら立  Description   ふるき歌合の例は、花をたづぬるにも見たるをまさるとし、郭公をまつにも聞くを猶勝とする事なれど、これはただ歌の勝劣を申すべきなり、藍よりもこき心をかしくはきこえながら、又をりをり人よめる事なるべし、山田のはらといへる、凡俗及びがたきに似たり、勝と申すべし  0031:  十六番 左勝 ほととぎすふかき峰より出でにけりと山のすそにこゑの落ちくる  0032:   右 五月雨の晴まも見えぬ雲路より山時鳥なきてすぐなり  Description   右歌、難とすべき所なく、たけたかくきこゆ、左歌、郭公深山のみねより出でてと山のすそにこゑのおちくらん程、今まさしく聞く心ちしてめづらしくみゆ、左勝と申し侍らん  0033:  十七番 左勝 あはれいかに草葉の露のこぼるらん秋風たちぬみや木ののはら  0034:   右 七夕のけさのわかれの涙をばしぼりやかぬるあまのはごろも  Description   左右の初秋の歌、ともにえんなるべし、但、右は、か様の心ききなれたるべし、左の、宮木ののはら思ひやれる心猶をかしくきこゆ、勝と申すべくや  0035:  十八番 左勝 おほかたの露には何のなるならんたもとにおくは涙なりけり  0036:   右 こころなき身にも哀はしられけり鴫たつ沢の秋の夕ぐれ  Description   しぎたつさはのといへる、心幽玄にすがたおよびがたし、但、左歌、露にはなにのといへる、詞あさきににて心ことにふかし、勝つべし  0037:  十九番 左勝 あし曳の山かげなればと思ふまに木末につぐる日ぐらしのこゑ  0038:   右 山里の月まつ秋の夕ぐれは門田の風の音のみぞする  Description   左、木ずゑにつぐるといへる、心ふかくゆゑありて聞ゆ、ただし、此まにといへる詞ぞ、又常によむ事なれど、猶思ふべくやとおぼえ侍る、かやうのことは人かへりてわらふべき事なり、しかれども一身おもふところをこのついでに申しいづるなり、右歌は、難とすべき所なくは見えながら、又人よみつべき事にや、猶左末句の心まさると申すべくや  0039:  二十番 左 長月の月のひかりの影深けてすそののはらにをしか鳴くなり  0040:   右勝 月みばと契りおきてし古郷の人もやこよひ袖ぬらすらん  Description   すそのの原にといへる、心ふかくすがたさびたり、但、人もやこよひといへることば、かざらずといへども、哀ことにふかし、右猶まさるべし  0041:  二十一番 左持 蟋蟀よさむに秋のなるままによわるかこゑの遠ざかり行く  0042:   右 松にはふまさのはかづら散りにけりと山の秋は風すさむらん  Description   左右共にすがたさび詞をかしく聞え侍り、右の、まさのはぞすこしいかにぞきこゆれども、外山の秋はなどいへる末句いうに侍れば、猶持と申すべくや  0043:  廿二番 左勝 霜さゆる庭のこのはをふみ分けて月は見るやととふ人もがな  0044:   右 山川にひとりはなれてすむ鴛の心しらるる波のうへかな  Description   右歌も、いみじくえんには聞ゆれど、左歌、猶心すがた殊よろし、勝と申すべし  0045:  廿三番 左持 大原はひらのたかねのちかければ雪ふる程を思ひこそやれ  0046:   右 枯野うづむ雪に心をしかすればあだちの原に雉なくなり  Description   左、ただ詞にして心あはれふかし、右は、心こもりてすがたたけあり、なずらへて持とす  0047:  廿四番 左 かずならぬ心のとがになしはてじしらせてこそは身をも恨みめ  0048:   右勝 もらさでや心のうちをくまれまし袖にせかるる涙なりせば  Description   両首の恋ともに心ふかしといへども、右歌、猶よしありて聞ゆ、勝つべくや  0049:  廿五番 左 あやめつつ人しるとてもいかがせむ忍びはつべき涙ならねば  0050:   右勝 たのめぬに君くやとまつよひのまの深けゆかでただ明けなましかば  Description   左、しのびはつべきといへる末の句はいとをかし、初五字や如何にぞ聞ゆらん、右歌、心猶ふかくやあらん、又右歌まさるとすべし  0051:  廿六番 左持 世をうしと思ひけるにぞ成りぬべきよしののおくへ深く入りなば  0052:   右 かかる身におほしたてけんたらちねのおやさへつらき恋もするかな  Description   左の吉野のおくへいり、右の親さへつらき恋の心、ともにふかくは聞ゆ、大かたはこのいづこへといふへの字は、これ又ふるくもちかくも人のよむ事にあれど、こひねがふべきにはあらざるなり、これも思ふ所を事の次に申し侍るなり、但、歌の程持とす  0053:  廿七番 左 人はこで風のけしきは深けぬるに哀にかりの音信れて行く  0054:   右勝 物思へどかからぬ人もあるものをあはれなりける身の契かな  Description   左も心ありてをかしくは聞ゆ、右歌猶よろし、勝と申すべし  0055:  廿八番 左持 なげけとて月やは物をおもはするかこちがほなる我が涙かな  0056:   右 しらざりき雲ゐのよそにみし月の影を袂にやどすべしとは  Description   両首共に心ふかくすがたをかし、よき持とすべし  0057:  廿九番 左持 かりくれし天の川原と聞くからにむかしの波の袖にかかれる  0058:   右 津の国の難波の春は夢なれやあしのかれはに風わたるなり  Description   ともに幽玄の体なり、又持とす  0059:  三十番 左持 しげき野をいく一むらに分けなしてさらに昔を忍びかへさむ  0060:   右 しをりせで猶山ふかくわけいらむうきこときかぬ所ありやと  Description   左、心ことにふかし、右又をかし、猶持とすべし  0061:  卅一番 左勝 暁のあらしにたぐふ鐘のおとを心のそこにこたへてぞ聞く  0062:   右 よもすがら鳥のね思ふ袖のうへに雪はつもらで雨しをりける  Description   右歌、末句などいとをかし、但、左歌、殊に甘心す、よりて勝とす  0063:  卅二番 左持 花さきし鶴の林のそのかみをよしのの山の雲にみるかな  0064:   右 風かをる花のはやしに春くれてつもるつとめや雪の山道  Description   左、鶴林を吉野のおくに察し、右、春花の風前に雪山をおもへるすがた、無勝劣、可為持  0065:  卅三番 左持 わしの山思ひやるこそとほけれど心にすむぞ有明の月  0066:   右 あらはさぬわが心をぞうらむべき月やはうときをば捨の山  Description   二首の釈教の心、左は霊鷲山を思ひ、右はをば捨山をおもへり、天竺和国雖異、所詮心月輪を観ぜり、歌のしなも又同じ、仍為持  0067:  卅四番 左持 わか葉さすひらのの松はさらに又枝にや千世の数をそふらん  0068:   右 沢べよりすだちはじむるつるの子は松の枝にやうつりそむらん  Description   左歌は、ひらのの松に若葉をささしめたり、定て其故ありけむかし、右歌は、たださはべのつるの子の松にうつり初めたるは、祝の心左には及びがたくやとは覚え侍れど、歌の程は猶持なるべし  0069:  卅五番 左 くもりなき鏡のうへにゐる塵をめにたててみる世とおもはばや  0070:   右勝 たのもしな君きみにます折にあひて心の色を筆に染めつる  Description   左右共に由緒ありけむとは見えながら、左は諫訴の心あり、右は聖朝にあへるに似たり、仍以右為勝べし  0071:  卅六番 左持 深く入りて神路のおくをたづぬれば又うへもなき峰の松かぜ  0072:   右 流たえぬ波にや世をば治むらん神かぜすずしみもすその岸  Description   左歌、心詞ふかくして愚感難押、但右歌も、神風久しくみもすその岸にすずしからむ事、勝劣の詞を加へがたし、仍持と申すべし   まことや、此歌の始に、もも枝の松にと侍るは、愚和可献にやとて 有注歟、藤原元は大中臣なりしにや  0073: 藤波もみもすそ川のすゑなればしづえもかけよ松のももえに  0074: 契りおきし契のうへにそへおかん和歌のうら路のあまのもしほ木  0075: 此道のさとりがたきを思ふにもはちすひらけばまづたづねみよ  0076:  返し 是押紙也 和歌の浦にしほ木かさぬる契をばかける玉もの跡にてぞみる  0077: さとりえて心の花し開けなばたづねぬさきに色ぞそむべき  Description  作者 西行上人 左右同之  判者 俊成卿  End  親本::   中央大学図書館蔵伝飛鳥井雅綱筆本 巻子本一巻  底本::   著名:  新編国歌大観 第五巻        歌合編、歌学書・物語・日記等収録歌編 歌集   編者:  「新編国歌大観」編集委員会   発行者: 角川歴彦   発行所: 株式会社角川書店   発行日: 昭和62年04月10日 初版発行        平成07年12月20日 三版発行   入力::   入力者: 新渡戸 広明(info@saigyo.net)   入力日: 2001年06月21日-2001年06月30日  校正::   校正者: 大山 輝昭   校正日: 2001年06月30日   校正個所1、2:    0006     右   秋はただ今夜ひとよの名なりけりおなじ雲井に月はすめども     左の歌、うるはしくたけたかくみゆ、右歌、これも歌のすがたいとをかし、十五夜の月をめづるあまり、こよひ一夜のななりけりといへる、心ふかしといへ(_>)ども、猶のこりの秋をすてむ事いかがときこゆ、左、こともなくうるはし、かつとや申す(_>)べき   校正個所3:     0034      右    七夕のけさのわかれの涙をばしぼりやかぬるあまのはごろも      左右の初秋の歌、ともにえんなるべし、但、右は、か様の心ききなれたるべし、左の、宮木のの(ほ>)はら思ひやれる心猶をかしくきこゆ、勝と申すべくや   校正者: 新渡戸 広明(info@saigyo.net)   校正日: 2001年07月18日 $Id: mimo_taikan.txt,v 1.10 2020/01/20 00:36:21 saigyo Exp $