Title  秀歌体大略  秀歌體大略  Note  【かっこ】は入力者(新渡戸)注。国文学研究資料館の二十一代集の検索を使用。  Description   隨耄昧之覺悟書連之古今相交狼藉無極者歟  0001 春立といふばかりにやみよしのゝ山も霞て今朝はみゆらん 【拾遺和歌集/拾遺和歌集巻第一/春】 【0001/平さたふんか家歌合によみ侍ける/壬生忠岑】 【春たつと/いふはかりにや/みよし野の/山もかすみて/今朝はみゆらん】  0002 君がため春の野にいでゝわかなつむ吾衣手に雪はふりつゝ 【古今和歌集/古今和歌集巻第一/春歌上】 【0021/仁和のみかとみこにおまし++ける時に、人にわかなたまひける御うた/】 【君かため/春の野に出て/若なつむ/我衣てに/雪は降つゝ】  0003 梅がへになきてうつろふ鶯のはね白妙に沫雪ぞふる 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第一/春歌上】 【0030//よみ人しらす】 【梅か枝に/なきてうつろふ/鶯の/はね白妙に/あは雪そふる】  0004 梅花それともみえず久堅の天ぎる雪のなべてふれゝば 【古今和歌集/古今和歌集巻第六/冬歌】 【0334//】 【梅の花/それともみえす/久かたの/あまきる雪の/なへてふれゝは】 【この歌はある人のいはく、かきのもとの人丸か歌也】  0005 人はいさ心もしらずふる郷は花ぞむかしの香ににほひける 【古今和歌集/古今和歌集巻第一/春歌上】 【0042/はつせにまうつることにやとりける人の家に久しくやとらて、ほとへて後にいたれりけれは、かの家のあるしかくさたかになむやとりはあるといひ出して侍けれは、そこにたてりける梅花をおりてよめる/つらゆき】 【人はいさ/心もしらす/故郷は/花そむかしの/香に匂ひける】  0006 櫻花さきにけらしも足引の山のかひよりみゆる白雲 【古今和歌集/古今和歌集巻第一/春歌上】 【0059/歌たてまつれと仰られし時によみてたてまつれる/】 【桜花/さきにけらしも/足曳の/山のかひより/見ゆる白雲】  0007 山ざくらさきそめしより久かたの雲ゐにみゆる瀧の白絲 【金葉和歌集/金葉和歌集巻第一/春歌】 【0050//源俊頼朝臣】 【山さくら/咲そめしより/久かたの/雲ゐにみゆる/滝のしら糸】  0008 櫻さく遠山鳥のしだりをの長/\し日もあかぬ色かな 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第二/春歌下】 【0099/釈阿和歌所にて九十賀し侍りしおり、屏風に、山に桜さきたる所を/太上天皇】 【桜咲/とを山鳥の/したりおの/なか++し日も/あかぬ色かな】  0009 をしなべて花の盛に成にけり山のはごとにかかるしら雲 【千載和歌集/千載和歌集巻第一/春歌上】 【0069//円位法師】 【をしなへて/花のさかりに/成にけり/山のはことに/かゝるしら雲】  0010 百敷のおほ宮人はいとまあれや櫻かざしてけふも暮しつ 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第二/春歌下】 【0104/題しらす/山辺赤人】 【百敷の/大宮人は/いとまあれや/桜かさして/けふも暮しつ】  0011 いざけふは春の山べにまじりなん暮なばなげの花のかげかは 【古今和歌集/古今倭歌集巻第二/春歌下】 【0095/うりん院のみこのもとに、花みにきた山のほとりにまかれりける時によめる/そせい】 【いさけふは/春の山辺に/ましりなん/くれなはなけの/花のかけかは】  0012 さくらがり雨はふりきぬおなじくはぬる共花のかげにかくれん 【拾遺和歌集/拾遺和歌集巻第一/春】 【0050/題しらす/よみ人しらす】 【桜かり/雨はふりきぬ/おなしくは/ぬるとも花の/かけにかくれむ】  0013 花の色はうつりにけりな徒に吾身世にふるながめせしまに 【古今和歌集/古今倭歌集巻第二/春歌下】 【0113//小野小町】 【花の色は/うつりにけりな/いたつらに/我身世にふる/なかめせしまに】  0014 又やみむかた野のみののさくらがり花の雪ちる春のあけぼの 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第二/春歌下】 【0114/摂政太政大臣家に五首歌よみ侍けるに/皇太后宮大夫俊成】 【又やみん/かた野のみのゝ/桜かり/花の雪ちる/春のあけほの】  0015 久堅の光のどけき春の日にしづ心なく花のちるらん 【古今和歌集/古今倭歌集巻第二/春歌下】 【0084/さくらの花のちるをよめる/きのとものり】 【久かたの/光のとけき/春のひに/しつ心なく/花のちるらん】  0016 あすよりはしかの花園稀にだに誰かはとはん春のふる郷 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第二/春歌下】 【0174/百首歌たてまつりし時/摂政太政大臣】 【あすよりは/志賀の花園/まれにたに/誰かはとはん/春の古里】  0017 春過て夏きにけらし白妙の衣ほすてふあまのかぐ山 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第三/夏歌】 【0175/題しらす/持統天皇御歌】 【春過て/夏きにけらし/白妙の/衣ほすてふ/あまのかく山】  0018 みわたせば浪のしがらみかけてけり卯花さける玉川のさと 【後拾遺和歌集/後拾遺和歌集第三/夏】 【0175/正子内親王のゑあはせし侍けるに、かねのさうしにかき侍ける/さかみ】 【見わたせは/なみのしからみ/かけてけり/うの花さける/玉川の里】  0019 五月雨はたく藻のけぶり打しめり鹽たれまさるすまの浦人 【千載和歌集/千載和歌集巻第三/夏歌】 【0183//皇太后宮大夫俊成】 【五月雨は/焼ものけふり/うちしめり/しほたれまさる/すまのうら人】  0020 道のべの清水ながるゝ柳かげしばしとてこそ立とまりつれ 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第三/夏歌】 【0262/題しらす/西行法師】 【道のへに/清水なかるゝ/柳かけ/しはしとてこそ/立とまりつれ】  0021 をのづから凉しくもあるか夏衣日も夕暮の雨の名殘に 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第三/夏歌】 【0264/崇徳院に、百首歌たてまつりける時/藤原清輔朝臣】 【をのつから/涼くもあるか/夏衣/日もゆふ暮の/雨のなこりに】  0022 いつとても惜くやはあらぬ年月を御祓にすつる夏のくれかな 【千載和歌集/千載和歌集巻第三/夏歌】 【0223//皇太后宮大夫俊成】 【いつとても/おしくやはあらぬ/年月を/御祓に捨る/夏の暮かな】  0023 秋立ていくかもあらねどこのねぬる朝けの風はたもと凉しも 【拾遺和歌集/拾遺和歌集巻第三/秋】 【0141/題しらす/安貴王】 【秋立て/いくかもあらねと/このねぬる/あさけの風は/たもとすゝしも】  0024 八重葎しげれる宿のさびしきに人こそみへね秋はきにけり 【拾遺和歌集/拾遺和歌集巻第三/秋】 【0140/河原院にて、あれたるやとに秋来といふ心を、人々よみ侍けるに/恵慶法師】 【やへむくら/しけれるやとの/さひしきに/人こそみえね/秋はきにけり】  0025 秋はきぬ年も半にすぎぬとやおきふく風のおどろかすらん 【千載和歌集/千載和歌集巻第四/秋歌上】 【0229/初秋の心をよめる/寂然法師】 【秋はきぬ/*年は半に/過ぬとや/荻吹風の/おとろかすらむ/*2年も半にイ】  0026 あはれ如何に草葉の露のこぼるらむ秋風たちぬ宮木のの原 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第四/秋歌上】 【0300//】 【あはれいかに/草はの露の/こほるらん/秋風たちぬ/宮きのゝ原】  0027 月みればちゞに物こそかなしけれ我身ひとつの秋にはあらねど 【古今和歌集/古今和歌集巻第四/秋歌上】 【0193/これさたのみこの家の歌合によめる/大江千里】 【月みれは/ちゝに物こそ/悲しけれ/我身ひとつの/秋にはあらねと】  0028 ふる郷の本あらの小萩さきしより夜な/\庭の月ぞうつろふ 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第四/秋歌上】 【0393/五十首歌たてまつりし時、月前草花/摂政太政大臣】 【故郷の/本あらのこ萩/さきしより/よな++庭の/月そうつろふ】  0029 限あればけふぬぎ捨つ藤衣はてなき物はなみだなりけり 【拾遺和歌集/拾遺和歌集巻第二十/哀傷】 【1293/恒徳公の服ぬき侍とて/藤原道信朝臣】 【限あれは/けふぬきすてつ/ふち衣/はてなき物は/なみたなりけり】  0030 思ひ出るおりたく柴の夕けぶりむせぶもうれし忘れ形みに 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第八/哀傷歌】 【0801/十月はかり水無瀬に侍しころ、前大僧正慈円のもとへ、ぬれて時雨のなと申つかはしてつきの年の神無月、無常の歌あまたよみてつかはし侍し中に/太上天皇】 【思ひ出る/おりたく柴の/夕煙/むせふもうれし/忘れかたみに】  0031 なき人のかたみの雲やしぐるらむ夕の雨に色はみえねど 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第八/哀傷歌】 【0803/雨中無常といふことを/太上天皇】 【なき人の/かたみのくもや/しくるらん/夕の雨に/袖はみえねと】  0032 たち別いなばの山の嶺におふる松としきかば今歸りこむ 【古今和歌集/古今和歌集巻第八/離別歌】 【0365/題しらす/在原行平朝臣】 【立わかれ/いなはの山の/嶺におふる/松としきかは/今かへりこん】  0033 しら雲の八重にかさなる遠にてもおもはん人に心へだつな 【古今和歌集/古今和歌集巻第八/離別歌】 【0380/みちのくにへまかりける人によみてつかはしける/つらゆき】 【白雲の/やへにかさなる/をちにても/思はん人に/心へたつな】  0034 わくらはにとふ人あらばすまの浦にも鹽たれつゝわぶと答よ 【古今和歌集/古今和歌集巻第十八/雑歌下】 【0962/田むらの御時に、事にあたりて津の国のすまといふところにこもり侍けるに、宮のうちに侍ける人につかはしける/在原行平朝臣】 【わくらはに/とふ人あらは/須まの浦に/もしほたれつゝ/わふとこたへよ】  0035 この度はぬさもとりあへず手向山紅葉の錦神のまに/\ 【古今和歌集/古今和歌集巻第九/羇旅歌】 【0420/朱雀院のならにおはしましける時に、たむけ山にてよめる/すかはらの朝臣】 【此たひは/ぬさもとりあへす/たむけ山/紅葉の錦/神のまに++】  0036 難波人あし火たくやに宿かりてすゞろに袖の鹽たるゝかな 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第十/羇旅歌】 【0973/入道前関白家百首歌に、旅のこゝろを/皇太后宮大夫俊成】 【難波人/あし火たく屋に/宿かりて/すゝろに袖の/しほたるゝ哉】  0037 立歸り又もきてみむ松しまや小島の篷屋浪にあらすな 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第十/羇旅歌】 【0933//】 【立かへり/又もきてみむ/松島や/をしまのとまや/波にあらすな】  0038 あけば又こゆべき山の峯なれや空行月のすゑのしら雲 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第十/羇旅歌】 【0939/五十首うた奉りしとき/家隆朝臣】 【あけは又/こゆへき山の/嶺なれや/空行月の/すゑの白雲】  0039 なにはえの藻にうづもるゝ玉がしはあらはれてだに人を戀ばや 【千載和歌集/千載和歌集巻第十一/恋歌一】 【0640/堀川院の御時、百首の歌たてまつりける時、初恋の心を読る/源俊頼朝臣】 【難波江の/藻に埋るゝ/玉かしは/あらはれてたに/人を恋はや】  0040 もらすなよ雲ゐがみねのはつ時雨木葉は下に色かはるとも 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第十二/恋歌二】 【1087/左大将にはへりける時家に百首歌合し侍けるに、忍恋のこゝろを/摂政太政大臣】 【もらすなよ/雲ゐる嶺の/初時雨/木のはゝ下に/色かはるとも】  0041 東路のさのの船橋かけてのみおもひわたるをしる人のなき 【後撰和歌集/後撰和歌集巻第十/恋歌二】 【0620/人のもとにつかはしける/源等朝臣】 【東ちの/さのゝふなはし/かけてのみ/おもひわたるを/しる人のなき】  0042 淺茅生のをのゝしの原しのぶれどあまりてなどか人の戀しき 【後撰和歌集/後撰和歌集巻第九/恋歌一】 【0578/人につかはしける/源ひとしの朝臣】 【あさちふの/をのゝしのはら/忍ふれと/あまりてなとか/人の恋しき】  0043 如何にせんむろの八島に宿もがな戀の烟を空にまがへん 【千載和歌集/千載和歌集巻第十一/恋歌一】 【0702/しのふるこひ/】 【いかにせむ/室のやしまに/宿もかな/恋のけふりを/空にまかへん】  0044 夕暮は雲のはたてに物ぞおもふ天津空なる人を戀とて 【古今和歌集/古今和歌集巻第十一/恋歌一】 【0484//】 【夕暮は/雲のはたてに/物そ思/あまつ空なる/人をこふとて】  0045 なにはがたみじかき葦のふしのまもあはで此世を過してよとや 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第十一/恋歌一】 【1049//】 【難波かた/みしかきあしの/ふしのまも/あはて此世を/過してよとや】  0046 うかりける人を初せの山おろしよはげしかれとはいのらぬ物を 【千載和歌集/千載和歌集巻第十二/恋歌二】 【0707/権中納言俊忠家に恋の十首歌読侍ける時、いのれともあはさる恋といへる心を/源俊頼朝臣】 【うかりける/人を初瀬の/山おろしよ/はけしかれとは/祈らぬ物を】  0047 瀬を早み岩にせかるゝたき河のわれても末にあはむとぞ思 【詞花和歌集/詞花和歌集巻第七/恋上】 【0229/たいしらす/新院御製】 【瀬をはやみ/岩にせかるゝ/滝川の/われても末に/あはむとそ思】  0048 思ひ河絶ずながるゝ水のあはのうたかた人にあはで消めや 【後撰和歌集/後撰和歌集巻第九/恋歌一】 【0516/まかるところしらせす侍けるころ、又あひしりて侍けるおとこのもとより、日ころたつねわひて、うせにたるとなん思ひつる、といへりけれは/いせ】 【思ひ川/たえすなかるゝ/水のあはの/うたかた人に/あはてきえめや】  0049 なき名のみたつの市とはさはげどもいさまた人をうるよしもなし 【拾遺和歌集/拾遺和歌集巻第十二/恋二】 【0700//人麿】 【なき名のみ/たつの市とは/さはけとも/いさまた人を/うるよしもなし】  0050 かた絲をこなたかなたによりかけてあはすは何を玉の緒にせん 【古今和歌集/古今和歌集巻第十一/恋歌一】 【/よみ人しらす】 【483かたいとを/こなたかなたに/よりかけて/あはすは何を/玉のをにせん】  0051 思草葉ずゑにむすぶしら露のたま/\きては手にもたまらず 【金葉和歌集/金葉和歌集巻第七/恋歌上】 【0444/権中納言俊忠卿家にて恋歌十首人++よみけるに、来不留といへることをよめる/源俊頼朝臣】 【おもひ草/葉末にむすふ/白露の/たま++きては/てにもたまらす】  0052 思ひきやしろのはし書かきつめて百夜もおなじ丸ねせんとは 【千載和歌集/千載和歌集巻第十二/恋歌二】 【0778//皇太后宮大夫俊成】 【おもひきや/しちのはしかき/かきつめて/百夜もおなし/まろねせんとは】  0053 有明のつれなくみえし別よりあか月ばかりうき物はなし 【古今和歌集/古今和歌集巻第十三/恋歌三】 【625//みふのたゝみね】 【有明の/つれなくみえし/別より/暁はかり/うき物はなし】  0054 名取河せゞの埋木あらはれば如何にせむとかあひみそめけん 【古今和歌集/古今和歌集巻第十三/恋歌三】 【0650//】 【なとり川/せゝのむもれ木/顕れは/いかにせんとか/あひみそめけん】  0055 今こむといひしばかりになが月の有明の月を待出つるかな 【古今和歌集/古今和歌集巻第十四/恋歌四】 【0691//そせいほうし】 【今こむと/いひしはかりに/長月の/有明の月を/待出つる哉】  0056 逢事はとを山すりのかり衣きてはかひなき音をのみぞなく 【後撰和歌集/後撰和歌集巻第十/恋歌二】 【0680/しのひてかよひ侍ける女のもとより、かりさうそくをくりて侍けるに、すれるかりきぬ侍けるに/元良のみこ】 【あふ事は/遠山とりの/かり衣/きてはかひなき/音をのみそなく】  0057 足引の山鳥のおのしだり尾の長/\し夜を獨かもねん 【拾遺和歌集/拾遺和歌集巻第十三/恋三】 【0778//人まろ】 【足曳の/やま鳥のおの/したり尾の/なか++し夜を/ひとりかもねん】  0058 侘ぬれば今はたおなじなにはなる身をつくしてもあはんとぞ思ふ 【後撰和歌集/後撰和歌集巻第十三/恋歌五】 【0961/こといてきてのちに京極御息所につかはしける/もとよしのみこ】 【侘ぬれは/今はたおなし/難波なる/みをつくしても/あはんとそ思】  0059 わが戀は庭のむら萩うらがれて人をも身をも秋の夕ぐれ 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第十四/恋歌四】 【1322/恋のうたとてよみ侍ける/前大僧正慈円】 【我恋は/庭のむら萩/うらかれて/人をも身をも/秋のゆふくれ】  0060 袖の露もあらぬ色こそ消歸るうつればかはる歎せしまに 【新古今和歌集/新古今和歌集巻第十四/恋歌四】 【1323/被忘恋の心を/太上天皇】 【袖の露も/あらぬ色にそ/消かへり/うつれはかはる/歎せしまに】  0061 思ひ出るときはの山のいはつゝじいはねばこそあれ戀しき物を 【古今和歌集/古今和歌集巻第十一/恋歌一】 【0495//】 【思出る/ときはの山の/岩つゝし/いはねはこそあれ/恋しき物を】  0062 契きなかたみに袖をしぼりつゝ末の松山浪こさじとは 【後拾遺和歌集/後拾遺和歌集第十四/恋四】 【0770/こゝろかはり侍りける女に人にかはりて/清原元輔】 【契りきな/かたみに袖を/しほりつゝ/すゑの松山/浪こさしとは】  0063 なげゝとて月やはものをおもはするかこちがほなるわが涙かな 【千載和歌集/千載和歌集巻第十五/恋歌五】 【0927月前恋といへる心をよめる/】 【なけゝとて/月やは物を/思はする/かこちかほなる/わか涙かな】  Description  解題           【久松潛一】  秀歌之體大略は秀歌を擧げたもので、近代秀歌に擧げられた秀歌、小倉百人一首の歌と共通するものが多いことは前述した如くである。  底本::   著名:  中世歌論集   編者:  久松 潛一 編   発行所: 岩波書店   初版:  昭和九年三月五日   発行:  昭和十三年七月三十日 第四刷  入力::   入力者: 新渡戸 広明(info@saigyo.org)   入力機: Sharp Zaurus igeti MI-P1-A   編集機: IBM ThikPad s30 2639-42J   入力日: 2003年3月17日〜2003年3月18日  校正::   校正者: 大黒谷 千弥   校正日: 2003年05月22日